世界旅日記

フィリピン人と結婚した日本人妻によるハロハロ(雑記)ブログ

マニラ1月の風物詩―ブラックナザレ祭

 これまでフィリピンに滞在してきたけど、一度もお目にかかったことがない「ブラックナザレ祭」。理由は簡単。平日に行われているということと、危なくて参加するのに躊躇するという理由のためです。
 
 「ブラックナザレ祭」とは、毎年1月9日にマニラのキアポ教会にある十字架を担いだ等身大の黒いイエス・キリスト像(ブラックナザレ像)がリザール公園からキアポ教会までの道のりをパレードするという宗教的祭り。ちなみにナザレ(またはナザレト、アン=ナースィラ)はイスラエル北東部の都市で、イエス=キリストが幼少期と公生涯を過ごした土地の名前です。1月9日に行われる理由は年度初めてのノベナ(9日間連続して行われる祈り)であるためと聞いています。ノベナの宗教的意味の詳細はわかりませんが、“イエスが「気を落とさずに絶えず祈らなければならない」(ルカ18・1)祈りの重要性を弟子たちに教えたように、忍耐強く祈り求めることの具体的な一つの目標(実践の一形式)として3日ずつ祈り、3日の祈りを3回繰り返した日が9日ととなります。

 なぜ黒いのか?イエスキリストの人種は気になるところ。ヨーロッパの宗教画では勿論白人的に描かれていますが、中東の出身であるため有色人種であったのではとも言われています。有色かもしれないからといっても、何故黒くしなければならなかったのか?という疑問が残るわけですが、これは像がメキシコから宣教師によって1606年にマニラに運んで来られた時に船の中の火災で像を黒く焦がしてしまったとといった理由のためだそうです。奇跡を起こす力があると100年以上前から信じられており、マニラ旧市街を練り歩く像には、はだしの男女がどうにかして像に触れようと殺到します。この日のニュースを見ると、日本の●●祭りを彷彿とさせる人だかりで、像に近づけないだろうことを予想して、像にめがけてタオルを投げて、像のそばにいる人がそのタオルでナザレ像を撫でてそれを投げ返すというシーンも見られました。間接的な接触を試みたのだろうと思われます。
  
 ブラックナザレ祭の朝は160万人の参加者がが500万人に膨れ上がり、押し合いへしあいの中で怪我をした人達が多数出たそうです。このニュースを聞くたびにまた、フィリピンの一連の宗教的な行事が始まったなぁと感じます。
 一年を通じて、各地方で祀られている守護聖人への感謝のお祭りが開かれていきます。1月はセブの幼少期のイエス(サントニーニョ)にまつわるシノログ祭も行われ、ミサの前のパレードなどで大変な賑わいを見せます。ここオランダでもセブ島出身の御姉様方たちが、シノログ祭を企画準備しています。ちなみに旦那の地元ビコール地方はペニャフランシア祭が有名。マリア像の一つペニャフランシア像を住民たち(男性のみ)が担いで、教会からナガ川へ繰り出し、船でパレードします。これは女性の参加は✖なので、見学したことがあります。
 フィリピンに行く予定がある方にはどれか有名なお祭りの時期とかぶるように渡航をおススメしたいです。