世界旅日記

フィリピン人と結婚した日本人妻によるハロハロ(雑記)ブログ

ナイメーヘン、スティーブン教会

朝は濃い霧が立ち込める典型的な10月のオランダの天気でしたが、霧の合間から見える太陽から、霧も晴れるであろうと予想し、予定していた町の教会、スティーブン教会:stevenkerkの塔に言語パートナーのハンスさんと共に登りに行きました。私の関心が歴史や文化であるため、ハンスさんは教会とその周辺の歴史に興味があると、思い立ち今日の教会訪問を提案してくれました。

教会とその塔は第二次世界大戦中に連合軍に誤爆され、街と共に大部分が破壊されてしまいました。ドイツの国境に近い街故に起こった悲劇です。塔は大戦後の1948年から5年、教会は20年の歳月をかけて再建されました。

自転車を教会の近くに止め、入場料4ユーロを支払いいざ入場。狭い入口かららせん状の階段が果てしなく続いて行くようです。階段は全部で200段ほどあります。

しばらく階段を上ると、一室区切られた部屋のような所でひと息つけるようになっています。そこには再建される前の教会で使われていた十字架、螺旋階段の中央部に使われていた木製の柱、屋根に設置されていた水はけであり魔女除けのための悪魔たち、15世紀にナイメーヘンの職人によって作られた鐘が並んでいました。

魔女除けの悪魔とは、魔女が箒にまたがり教会を壊すという迷信から、彼らを怖がらせ近づかないようにするために置かれた置物であり、雨水のはけ口です。私は、こんな悪魔を置いたら魔女も仲間が居ると誤解して、居心地良く感じてかえって居座ってしまうのではないかと素朴に思いましたがこればかりは魔女に聞いてみないと分かりません(汗)。

もう少し階段を上ると今度は、展望台の階に到達します。市が作成した時計塔の歴史、そして今後の都市計画を紹介する映像が小さなスクリーンで上映されています。その小部屋から一歩出ると、360度のパノラマが広がります。ワール川にかかる3つの橋が見えます。「遠すぎた橋」の撮影場所となった橋も観覧車の後ろに見えます。

更に、階段を上ると更に小さな部屋があり、そこにはカリオン奏者の演奏している姿がありました。

カリオンは鐘楼建築物に演奏用の鐘を設置したもので、鍵盤で演奏される楽器です。ヨーロッパの街角で時に耳に入ってくる、鐘による演奏はこのカリオンによるものです。大変幸運なことに、月曜日は市に雇われているカリオン奏者が演奏する日でしたので、生でその演奏を聴くことが出来ました。奏者が出勤していないときには、自動演奏に切り替わっているようです。

許可を頂き、撮影したビデオをyoutubeにアップいたしました。教会の建物の外で建物を眺めながら聞くと趣があるのかもしれません。映像をみて頂くと分かりますが、演奏をする際に鍵盤を押す音がしっかり聞こえ、演奏に体力が必要なことを伺わせます。

鐘の数は48個、残念ながらこの部屋からはみることが出来ない場所、ちょうど真上に設置されています。低音を出す鐘は重さ2トンほどもするのだとか。

時を告げる鐘はカリオンとは別物です。ただの教会の塔ですが、そこに歴史あり。お勉強になった一日でした。ハンスさんどうもありがとうございました。

ティーブン教会

所在地:Sint Stevenskerkhof 62 6511 VZ Nijmegen

公式ウェブサイト:http://www.stevenskerk.nl/

時計塔の入場料:4ユーロ(2013年10月現在)

月曜日11:00から12:00までカリオンの生演奏が聴けます。